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「すいませーん。入隊希望でーす!」
どこかの商家を間借りしているのだろうか、と思考を巡らせながら門前で名乗り出ることを明智に任せぼんやりと足元の石ころを蹴る。
本来ならばまだ寝てる時間。そもそも仕事でなければこんなところ来たくはない。
「ああ、入隊希望の方ですか?ここちらにどうぞ。」
どこからともなく門からひょっこりと顔を出した女顔の男がそう言って中へ案内した。
どこかであったことがあるような。
いや。忘れた。
こんな時の勘はなんだかんだ当たってしまうのだ。
「こちらでお待ちください。局長以下を呼んできますので」
女顔が相変わらず隙のない動作で出て行ったというのに密かに感じる別の気配。
天井か、と思えば同じことを思っていたような顔の明智と目が合う。
「(帰 り た い)」
若干の殺気を込めて唇を動かせば
面白いように反応する天井野郎。
「(だ め)」
あの人の命でなければこんなところ来ないのに。
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