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それにしたってセックスだって妊娠だって出産だって女のほうが苦痛や負担を強いられるなんて、全くもって世界は不平等にできている。
この不平等を少しでも縮めたくて、私は仕事に打ち込んできた。
男に引けを取りたくない。
それに、将来男の世話になろうなんて思っていないから仕事としてのスキルを磨くのは苦ではなかった。
この『fleur』という会社は女性下着の製造、販売がメインとしているから女性社員も多く、男女の雇用差もない。
中には疎んじる男性社員もいたけど、そんなもの仕事で負けている奴の言うことなど痛くも痒くもない。
母から教えられたこと。
1、 倫理に背かないこと。
2、 自立した人間になる。
3、 男に依存するな。
これを全て守ってきた。
だから部長を好きになるなんて私にとってはありえない話なのだ。
私が道を踏み外そうとすれば母の教えが一種の強迫観念のように頭を支配してストップがかかる。
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