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「邪魔」
私の一言で真鍋さんと女の子たちが一斉に目を向けた。
私は動じることなく無表情のまま自分の席を指差す。
「そこ私の席。それに今バリバリ就業時間内。あんたたちは実習が終わって早く帰れるからいいかもしれないけど、他人の仕事の邪魔はしないでくれる?」
「す、すみません」
淡々とした私の言葉に女子たちは身を小さくして立ち去っていく。
その後ろ姿を見送っていると、背後の真鍋さんが「こわー」と言うのが聞こえた。
「真鍋さんがはっきり言わないから私が言っただけですけど?」
「はい、すみません」
真鍋さんは肩を竦めて謝るものの、やっぱりその顔に反省の色は見えない。
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