信条

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同じSVの萩原さんが妊娠して辞めてしまったのは仕方ないけど、この人の隣の席、正直嫌だ。 課長に席替えを提案してみようかなぁ。 自分の席に座ってパソコンを立ち上げながらそんなことを思っていると、私の不満が伝わったのか前の席の岡本さんがこちらに視線を向ける。 「あんまりピリピリすると老けるぞー。本庄」 「してません。これ、私のいつものスタンスです」 「お前、販売スタッフの子に裏で『鬼女』って言われてるんだぞ」 「知ってます。仕事は全うしてますから別に痛くも痒くもありません」 「つえー」 私の言葉を受けてけらけら笑う。そして真鍋さんも笑みを漏らすから余計いらっとした。 真鍋さんは本社勤務は二年ぶりだけれど、岡本さんと同期だからもとから仲がいいらしく、すぐにつるんでよく二人で飲みに行っている。 真面目に仕事してよね。 もしピリピリしてるとしたらあんたらのせいなんだけど。 眉間に皺が寄りそうになった時、前の席の岡本さんが私の背後に目を移して「あ」と声を漏らす。
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