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「ラベス!!」
地獄界の中でも最も屈強の魔境と呼ばれる魑魅魍魎。その洞窟を抜ければ大きな祭壇がある。
そこには4人と同じような灰色の羽も持つ天使の姿。彼の名をエルスが叫ぶ。
「お前ここにおったんか!!えろう探したわ!!ほんなら早速いくでー!」
関西弁の青天使バイアは陽気なその声の傍らに地を蹴り、三又の槍を持つ手に力を込める。
「ふん、バイアか」
ラベスと呼ばれた灰色天使は振り向きざまに跳躍し、バイア渾身の突きをかわす。
「なんやて!」
聞こえたのは関西弁の青天使バイアによるその陽気な声に交じる驚愕の叫び。
今、彼が突き刺したと思ったはずの敵、ラベスはその渾身の突きをヒラリとかわし、宙返りをするとの槍の三又の上に降り立った。
「忘れたか?お前達は私に一度も勝てなかったという事を」
挑むようにラベスの瞳が光る、刹那、ラベスの右足が伸びた。
そのようにバイアには見えた。
次の瞬間バイアの足は地を離れ、その体は遠く吹き飛ばされる。ラベスの右足が彼の左頬を捉えていた。
「ぐわぁぁぁ」
吹き飛ばされたバイアの体を黒天使ドールが受け止める。彼の体には漆黒の鎧が全身を覆っている。
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