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「お前は先走りすぎだ。何の為に天聖神器を持っている」
そこにエルスの叱責が飛ぶ。
「お前の望みはなんだ?ラベス。こちらは天聖神器を装備している。お前に勝ち目はない」
エルスの声は静寂に包まれた祭壇に鳴り響いた。
「うるっせーな」
一方のラベスはエルスに対して悪態をつくとギロリと彼を見下す。
「相変わらずだ。お前は。全く面白みのない野郎。まずお前から殺してやる」
ラベスはそう言うと地を蹴った。エルスに向かってまっすぐに駆けながら彼は自身の右手に力を込める。すると灰色の光りが彼の右手を包み込み、そこに一振りの大剣が現れた。
「なっ!」
その光景にエルスは身震いした。咄嗟に自身も両手に力を込める。
「これで終わりだ」
ラベスは跳躍すると大剣を振り上げると、エルスの脳天めがけて振り下ろした。
激しい金属音が祭壇に響く。
ラベスの一撃はエルスの手に持たれている真紅の武器、柄の両側に刃を持つ双刃剣に防がれる。
「天聖神器を持つのがお前達だけでない事を思い知れ」
ラベスは横なぎの斬撃をエルスに見舞う。エルスはそれを後に跳躍する事でかわした。
距離を取る二人。
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