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今にも泣きだしそうな彼の瞳。圭一は思わず腕に力を込めるのを躊躇ってしまう。
俊は目を瞑り、押し付けていた唇から力を抜くと、今度は圭一の唇を咥え始めた。彼が圭一の下唇に吸い付くたび、室内に微かな水音が漏れ聞こえる。
俊を引き離すタイミングを完全に失い、圭一はどうすればいいか必死に考えを巡らした。ただ、俊のやっていることは大胆な割に動きは酷くぎこちなく、キスが初めてであることは明らかだった。にも拘らずここまで唇を合わせてくるのは、止めればそこで圭一に振り払われてしまうと彼もわかっているから。
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