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異世界に来て一週間経った。今日この日はおそらく私が使い魔召喚される日であろう。
「ミスト、出てきて。」
「なあに?黒さん。」
「前にも言ったと思うけど、もしかしたら今日でミストとお別れしないといけないわ。だから、ちゃんとお礼言って置こうと思って。」
そう話を切り出すと、ミストは泣きそうな顔をした。
「そっかぁ、もう行っちゃうんだね。ねぇ、黒さん召喚されても僕の事忘れないでね?」
「当たり前でしょ。召喚されたとしてもたまに、遊びに来るわよ?だからそんな泣きそうな顔しないでミスト。」
ミストと同じくらいに縮んですり寄って行く。ミストは私の首あたりに抱きついて顔をうずめている。
「………絶対また会いに来てくれる?」
「うん、約束するわ。必ずまた会いに来るからそれまで元気でねミスト。」
話終えると、私の足下に魔法陣が浮かび上がった。
「黒さん!いってらっしゃい!!」
「ミスト、行ってきます。」
泣きながらも笑顔で見送ってくれたミストを最後に私は白い光に包まれた。
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