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「ぐはあっ!?」
竜光寺忠貴の拳が、〇〇の腹に深く突き刺さる
どんなに強固な鎧でも粉砕してしまう拳
直撃を喰らった〇〇は、苦しい声をあげながらうつ伏せに倒れてしまった
「うう……ゲホッゲホッ」
ハアハアと苦しみながら〇〇はなんとか立ち上がろうとする
"フハハハハ!!オレの大事なカイをたぶらかした罪!!償うにはまだまだ足りんぞおおお!!!!!!!"
〇〇がなんとか与えた傷も、忠貴には通用しなかった
「やめろ!そいつに手出すんじゃねー!!」
「カ、カイ……」
〇〇は立ち上がろうとするが、体に力が入らない
"カイのお願いなら、出来れば聞いてやりたいところだが"
"これ以上ワガママを聞いてやるわけにはいかんのだ!!それにこいつは…"
"オレのカイをたぶらかした男だ!!絶対に許さん!!"
"フハハハハ!!!これで終わりだあああ!!!"
両の拳に力を込めていく忠貴
「!?おい〇〇!起きろ!起きろよー!!」
カイの表情が悲痛に歪む
叫びが聞こえた〇〇は
「(こんなところで…)」
「(こんなところで終われるか…)」
〇〇の頭の中に流れる
カイとの思い出…
<へえ…うちの高校にも、まだお前みたいなヤツがいたんだな…アタシは竜光寺カイ、まあよろしくな>
<ん?ああ、言いたいヤツには言わせておけばいいさ>
<花見ねえ…アタシと来て楽しいか?>
<手、出せよ…ちゃんと繋いでおかないと、どこか行っちゃうかもしれないぞ…アタシは>
<アタシさ、決めたよ。家は継がない>
<決められた道なんてまっぴらだ>
<アタシは…お前と同じ道を進んでみたい>
「うおおおおおおおお!!」
"ぬうっ!?"
忠貴が力を解放しようとしたとき…
一発の銃弾が忠貴の頬をかすめた
「大丈夫か!!」
ギリギリのところで〇〇を助けた人物
それは、さっきまでロープに縛られていたはずの竜光寺カイだった
「カイ?」
「まだ立てるだろ…?お前はこんなもんで終わるヤツじゃねえ、そうだろ」
〇〇がカイとの思い出を思い出していたとき
カイも〇〇との思い出を思い出していたのだ
「ああ…当然だろ」
不思議と力がわいてくる
それがなんなのか、口には出さないが2人にはわかっていた………
"貴様、なんだその力は!?"
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