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「ーール君、リベラル君!しっかりして!」
気が付くと綺麗なエメラルドグリーンの瞳が自分の顔を心配そうに眺めていた。
「あれ、ルミナ…さん?どうして…」
「どうしてじゃないわよ。リベラル君のクオッドスキャナーから連絡が来たの。居て当たり前でしょ」
未だぼんやりする意識の中、リベラルは必死に記憶を手繰り寄せていた。ああ、確か。屋敷に忍びこんで、そこには門番位しかいなくて。目標の場所にはDEMOSが居て、連絡をして。必死でリックを逃がそうとしてーー。
ハッとする。辺りを見渡すもリックの姿が無い。
「ルミナさん、リックさんは!?それにDEMOSはどうなったんですか!?」
慌てて身体を起こすとまだ寝てなさい、と寝ていたベッドに押し戻されてしまった。
「リック、かどうかは知らないけど。一緒に倒れてた銀髪の奴なら隣の部屋よ。怪我が酷いからエリスが診てるわ」
「無事だったんですね、良かった…」
「それとDEMOS。あたし達が送ってくれた座標を元にしてかけ付けた時にはとっくに死んでたわ。びっくりしたわよ、すぐ側にはリベラル君と知らない奴が倒れてるし」
記憶が段々と蘇ってくる。
そうだ、確か僕はリックさんとリンクしてあのDEMOSをーーー。
「…そう、そうでした。あのDEMOSは僕とリックさんで倒したんです。僕が…殺した…」
今まで数々のDEMOSの最後を見てきたリベラルだが、実際此の手で倒すのは初めての事だった。鎌に刺さる肉の感触。思い出すと激しい目眩と吐き気に襲われた。
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