†潜入と遭遇†

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身体をくの字に曲げ、激しく咳き込む。ルミナがそっと背中をさすり、水が入ったコップを差し出す。 「大丈夫?リベラル君、調査員期間が長いから…現場に慣れてないのよね。ごめん、あたしがすぐに来れたら良かったんだけど…」 「っ、ごほっ…。いえ、大丈夫です。執行官の方々の大変さが改めて良くわかりました」 差し出されたコップを受け取り、一気に飲み干し、心配そうに覗き込むルミナにへらりと笑みを浮かべてみせた。 「…ねぇ、リベラル君。あのDEMOS、本当にリベラル君が倒したの?データによると大したヤツじゃないみたいなんだけどさ」 「ええ…。オーガニクスであるリックさんとリンクして…僕が倒しました」 「…うーん。未だにピンと来ないのよねぇ、だってあたしとリベラル君って同期だけど、リンクテストの時リベラル君だけ毎回リンク失敗して倒れて…の繰り返しだったじゃない?」 そこはリベラル自身が一番腑に落ちないでいた。ルミナの言う通り、執行官になる為、オーガニクスとのリンクにことごとく失敗して一度も成功した記憶がない。なのに今回はどうしてリンクする事が出来たのか。あの時は緊急事態だったから?其れだけでは納得がいかない。素養がなければ出来ない事だからだ。 「……ならここでもう一回試してみるか?」 不意にかけられた言葉にリベラルとルミナが顔をあげる。 部屋の扉に寄りかかる形でリックと、その後ろにはルミナの相方であるエリス・バルトフィリアが困ったように立ち尽くしていた。 「リックさん、怪我は大丈夫なんですか?」 「大した怪我じゃねーよ。…で?そちらさんは俺とリベラルがリンク出来た事がそんなに信じらねーってならもう一回やってみようぜ」 「ええっ!?あの時は、ほら非常事態でしたし、もしかしたらまぐれだったのかも…」 しかし、まぐれでオーガニクスとリンク等出来はしない。今まで誰ともリンク出来ないでいたリベラル自身が一番良くわかっていた。 リベラルが戸惑いつつ頷くと、リックがニヤリと笑い、ふっと自身を大鎌へと変換させた。
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