標的1.風の守護者

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――この“世界”に慣れるのには、かなり時間がかかった。 実は私はもともとはこの“世界”の住人ではなく、転生トリップというものをしてしまったらしいのだ。 しかも、この世に一人しかいないと言われる“風属性の炎を持つもの”として。 厄介なことに、全世界のマフィアというマフィアから追われ、親もソレの犠牲になってしまった。 天涯孤独となってしまった私に手を差し伸べてくれたのが―― 「紅桜、話があるんだ」 この人、ボンゴレⅩ世沢田綱吉だった。 『話……?』 また厄介な話じゃないだろうな。と内心不安になりながら耳を傾ける。 「キセキの世代、というのは知ってる?」 『……あぁ、バスケ界の……10年に1度の天才が5人いる……とかいうやつでしょ?』 かなり有名だったから名前くらいは耳にしていた。 ただ、それほど興味は無かったのだが。 その“キセキの世代”が、何の関係があると言うのだろうか。 「うん。紅桜にはその天才たちがいる帝光中学に通ってほしいんだ」 『ふーん……って、は、え?』 何でそんなことを。 そう目で訴えるとボスはフ、と微笑み 「リボーンからの任務だよ。キセキの世代と接触して、あわよくば勧誘してこい。とのことだ」 勧誘って……ボンゴレの勧誘、か。 一般人を巻き込むのは気が乗らないが、任務だから仕方ない。 『仰せのままに』 こうして私の波乱の毎日が始まるのだ。
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