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花火が夜空を彩る中、ふたり無言で歩いて家まで戻った。
部屋に入ると結っていた髪をほどく。
薄暗くした部屋の中、褥に座る龍一郎さんが隣に座るようにと手招きした。
ドキドキしながら隣に座ると抱き締めてわたしの背中まで伸びた髪に指を通して何度も櫛梳った。
龍一郎さんに見つめられると血が逆流しそうなくらい心臓がバクバクして苦しい。
わたしを包み込んだ腕の力が強くなって、首筋に熱い吐息を感じた。
そして、いつの間にかわたしの浴衣の帯がほどかれて浴衣も褥に広がった。
「み、ないで……」
見つめられてるのが恥ずかしくて襟元を掻き合わせると、龍一郎さんに手首を掴まれて両脇に退かされた。
「……もう待てない」
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