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溢れだす想いが止まらない。
このまま、龍一郎さんのものになりたい。
♪♪♪♪♪♪♪
♪♪♪♪♪♪♪
突然、電話が鳴った。
「…あ…電話が」
「出なくていい」
龍一郎さんの携帯……畳の上で振動してる。
「今夜は何も考えずに俺に抱かれろ……」
そう、甘い吐息が耳元で溶けた。
恥ずかしさで頭がクラクラする。
乱れた浴衣の上で重なるくちびるが角度を変えて何度も啄み甘く痺れた。
鳴り続ける電話……
畳の上で振動してた携帯を龍一郎さんが脇に退けた。その瞬間。
カシャン
『………が倒れた!今、三津谷総合病院へ向かってる!』
携帯から、漏れた声。
微かに聞こえたのは龍一郎さんの、……お兄さん?
ピク
キスが止まり、龍一郎さんのくちびるから掠れた声が落ちた。
『聞いてるか、龍一郎!』
龍一郎さん…見つめた瞳が揺れて熱い瞳がわたしを包んでる。
心臓がドクドクしてる。
吐息が甘い。
龍一郎さんが手を伸ばし携帯を握ると小声で答えた。
龍一郎さんの携帯を握る手が震えて、そして切れた。
龍一郎、さん?
突然、ギュッとその胸の中に壊れるほどの強さで抱き締められた。
ドキン
「親父が倒れた」
抱きしめる翼の上で龍一郎さんの苦しげな声がした。
……そんなまさか
「すぐに病院へ行かなくちゃ」
頭の中が真っ白になった。
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