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寒河江さんの目が龍一郎さんを睨み返す。
わたしにはわからない何かがふたりの間に流れて、寒河江さんは顔を背けると部屋を出て行ってしまった。
追いかけようとしたら、龍一郎さんに腕を引かれた。
「追うな!」
「でも、寒河江さんが!」
行っちゃう。
ふたりは友達なのにケンカなんてイヤ。
「寒河江はおまえのことも」
龍一郎さんの言葉は唐突に途切れた。
「……なんでもない」
その時、わたしは寒河江さんの気持ちを何もわかってなかった───
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