1日目

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「言いたくないけど、ちょっと軽率過ぎない? もし電話の相手が、佐久間さんの事に気付いて居なかったらどうするのよ。どの記事にも、佐久間さんのお父さんの名前しか載ってないのよ。もし、お父さんの名前知らなかったら、気付かずに過ぎて行くかもしれないでしょう? 親友の貴方が、広めるような事してどうするの? こんな事件じゃ、してあげれる事なんて無いのよ。佐久間さんが頼って来るまで、静かに見守っていてあげなさいよ」 身内の中に加害者と被害者が出たのだ、精神的にもかなりダメージを受けている筈。 出来るならそっとしておいてあげたい。それを周りで騒ぐなど、もっての他だ。 「・・・そうかな?・・・」 少し不服そうではあったが、何も言わず和馬は、ダイニングのテレビをつけてニュースを見始める。 だが、日曜日のこんな時間、情報番組はやって居ても、地方のニュース等流れる筈も無く、この話題は立ち消えになっていった。 結局、この日一日事件に関する新しいニュースは流れる事が無かった。
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