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今は、学校を休んでいるだろうが、何れ登校した時に嫌な思いをしなければ良いと願わずには居られない。
酷くすれば、転校等も考えられる。
どうなって行くのだろう?
一通り記事に目を通して、パソコンの電源を切る。
その時、玄関のチャイムがなり、声がする。
「真理子さん、居るの?」
姑だ。
「はい」と短く返事して玄関に急ぐと、菓子箱を持った姑が立っている。
あぁ、また噂話に付き合わされる。ひきつりそうな顔を何とか保ち、リビングに通す。
「お土産頂いたのよ。お茶にしない?」
既にキッチンに向かっている私の背中に言う。
「お茶いれますから、少し待ってて下さいね」
お茶を手早く入れて、リビングのソファに戻ると、菓子箱を開けて待っていた姑が、話始める。
「佐久間さんのとこ、お葬式どうするのかしらね」
やっぱりこの話かと苦笑いが浮かぶ。
「密葬になるんじゃ無いですか? おおっぴらにする状況じゃないですし。此方も遠慮した方が良いんじゃ無いですかね?」
「あら、それは駄目よ。行かなきゃ。無くなった方を送る大切な事ですもの。そんな薄情な事しちゃ行けないわ」
一体、どちらが薄情なのだろう?
佐久間さんは、周りの人達に来て欲しいと思って居るのだろうか?
私ならそっとしておいて欲しいと思う。
姑と話しているうちに分からなくなりそうだ。
その後、姑の持論を散々聞かされ、最後には自分達の介護の心配をして帰って行った。
姑達の老後を見るつもりで、隣に家を建てたのだ。
しかし、改めて言われると、本当に私が見れるのかと、今回の事件で考えさせられる。
色々とデリケートな問題だ。最終的には、その時にならないと答えは出ないのだろう。
そう思って、考えるのを止めた。
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