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あれから百年の時が過ぎた。
俺はまだ15歳。歳をとっていない。不老の呪い。
それに、当然まだ死んだことはない。死のうとしたことは何度もあった。でも、死ねなかった。不死の呪いだ。
不老不死。
今、目の前にいるこの子は、黒子の孫。
ちょうど百年前のこの日に黒子が言ったことをその子は今喋っている。知るはずはないのに。
赤「百年前の同じ日に君の祖父も同じことを言っていた。」
俺はその子に伝えた。
その子はあの日の君と同じように笑った。とてもよく似た笑顔だった。
そして、また年月だけが過ぎて行く。俺を残して。
そして、君の孫の曾孫のその最期に、俺はまた一人になる―――…。
君がいなくなった時のように。
移ろっていく、メトロポリスと。
君から孫。孫から曾孫へ。
君の名に花束を添えて。
今日もまた、あの日と同じ夕焼けに。
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