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幸せになってやる
そんな思いで、必死に前を向いて頑張ってきたのに
いつまでも消化しきれないでいるのは、自分自身だった。
だから、会いに行くと決めた。
安らかな最期を見届けるためじゃない
眠ってる健太に、嫌みの一つでも言って
それですっぱり
別れることが出来ると思った。
アンタはバカだって、笑うかもしれない。
「あと、ひと駅か……」
窓から見える空は、眩しいくらいの快晴だった。
ねえ、健太
アンタだって、あたしに謝りたかったんでしょ?
だから、夢にまで出てきたんでしょ?
この時のあたしは
そう、信じて疑いもしなかった。
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