一本の電話から

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「お待たせしましたー」 タイミングばっちり、兄ちゃん! さっきの店員がオーダーした品を手際よく並べて、さっと去っていった。 あたしのビールもちゃんとある。 「でもまぁ、今回は人選ミスったわ。あの歌を聞き続けるのは身の危険があったし」 久美はトマトをかじりながら、苦笑いする。 あの歌? あ、あの痛い子か。 「あの子、久美の友達なの?」 「いや、職場の同僚。あんなに音痴なんて知らなかったから、謝っとく」 なんだ。同僚かよ。 思わず吹き出して笑うと、久美も笑った。 あー、やっぱり。久美といると楽しいや。 さっきの合コンの何十倍も!
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