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少し冷たい、ちょうどいい風に吹かれて
あたし達は駅に向かう。
「明日も仕事だし、頑張らないと」
明日のことを考えると、さっきまで高揚していた気持ちが一気に下がっていく。
ああ、休みたいな…。
「そういえば、塔子ってまだパートだっけ?」
「……まあ、ね」
融通がきいて、当たり障りのない パートの事務員は、楽チンで。
フラフラしているあたしにとって、本当にありがたい。
「早く定職ついたほうがいんじゃない?この先何があるかわかったもんじゃないよ」
時折おかあさんのように心配する久美に、愛想笑いだけ返すと
久美は、それ以上何も言ってこない。
そりゃ、ね。正社員になれるなら、なりたい。
だけど、そこまで踏み込むことが出来ないでいる、あたしの弱さを
久美は理解してくれていて。
責任の咎められないこのポジションが、あたしには心地がよかった。
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