一本の電話から

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「好きな人がいる」 なんてことない、普通の日曜日。 今日は何が食べたい? なんて言ったあたしに返ってきた言葉。 一瞬、頭が回らなかったけど。 「それは、あたしでしょ?」 少し間を空けて、冷静になり疑いもなく返しても アイツはタバコを手に持ったまま、黙りこくって。 それで終わり。 怒りも、悲しみも感じなかった。 あったのは、作りかけのサラダをどうしようかとか もう、オマエの顔なんかみたくない、とか それだけだった。 おかしいかな? 2年も一緒だったのに。 あたしも、心のどこかで退屈を感じていたのかもしれないなんて  バカみたいに自問自答した。 心のどこかで  健太のことを、愛していなかったのかもしれない。と。
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