一本の電話から

28/36

82人が本棚に入れています
本棚に追加
/152ページ
「あー、腰がいたーい!」 やっと。 お昼前にはひと段落終えて。 給湯室でコーヒーを飲むこの瞬間が、唯一の幸せ。 ずっと座りっぱなしは、さすがにキツイ! 「田辺主任、朝からずっと宮内さんにつっかかってたね」 その声に振り向くと 同期の仲村さんが、ニヤニヤしながら立っていた。 「ほんと、あの鬼なんとかなんない? あたしを目の敵にしてさー!」 「そうかな~?逆だと思うけど」 可愛らしいマグカップを持つ彼女は 久美とはまた違う、可愛らしいお嬢さんで。 愚痴をこぼせる数少ない戦友、っていったところ。 「田辺主任って、宮内さんの事気に入ってるんだと思うよ」 ーーブハッ! ちょ。やめて。 コーヒー吹き出しちゃったじゃん。
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加