ヤマブキソウの涙

ヤマブキソウ

うつ伏せになったまま

フッとよぎる、数分前の出来事。

なに、あの距離。

「…うっ、ぎゃあ～～～！！」

狭いソファの上で右往左往しながら、悶える。

こ、こっぱずかしい！

あの時のあたし、なんで冷静でいられたんだ!?

やめてやめて！ ありえないでしょ！

掴んだクッションをぎゅっと顔に押しつけて

息を、のんだ。

あんな、田辺主任

ありえない。