ヤマブキソウ

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暗闇の中、つけっぱなしのテレビから流れる音声が耳に届く。 ……あたし、寝てた? 重たい体を起こして、シパシパする目をこじ開ける。 握っていたハズの携帯が、遠くで転がっていた。 「……喉かわいた」 乾燥した口の中が、痛い。 立ちあがってパチンと電気をつけると 刺すような眩しさが部屋を照らした。 冷蔵庫の扉を開けたあたしの手は、何故か缶ビールに伸びて。 引っ込みつがつかない。 明日、会社だけど 別にいーや なんかすっごく、飲みたい気分。
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