ヤマブキソウ

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過去の恋を引きずるほど あたしは弱くないと思っていたのに 今頃アイツは 愛する人と一緒に、幸せに暮らしてるのかもしれないのに あたしは独り、部屋にこもって酒を飲んで 夢にまで、出て。 「……ほんとに、くだらない」 力がこもって 手に持つ缶がキシリと軋む。 悔しいよ 別れ際に言ったあんたの言葉が ずっと離れなくて。 ーーー塔子、幸せになれ あんたなんか、大嫌いだ。
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