1章「なんで初日から知り合いできるの」

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4月上旬。 入学やら就職やらで世間が賑わう時期だ。 俺も今年から、新しい出会いに期待を膨らませる未来へ羽ばたく高校生だったりする。 俺が通うのは、朝霧高校とかいうところ。 あまり特徴のない名前のくせに進学校だ。 1学年200人程度と、規模も微妙だ。没個性め。 ……で、今現在、俺は中庭のベンチに座っている。特に理由はない。 入学式が終わるまで適当な場所で待ってるだけだ。 今頃講堂では200人の、新しい出会いに期待を膨らませる未来へ羽ばたく高校生達が、延々とハゲ校長(先入観)の話を聞いているのだろう。 事前にクラスは聞いてるし、さっきまで校内探索してたから場所も分かる。そしてこの中庭の今の位置が、木やら建物やらで意外と死角になっていることも発見した。完璧だ。
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