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「神の鉄拳!」
「ぐぼぁっ!?」
突如鳩尾に激しい痛みを感じて起き上がる。
だか、うまく呼吸が出来ないせいで起き上がれずに悶えていた。
「まったく、情けない。そんな事で今日からの学校はどうするのですか」
「こ…ぬ…きゅっ…ガ」
「はっきり喋りなさい!」
誰のせいで!っと、心の中で文句を言いつつ、呼吸を整える。
薄汚れた木製の部屋、いつものオクスの部屋だ。
「マリア先生…、朝から神の鉄拳は死ぬ。マジで」
「それでは三度起こしたにもかかわらず、目を覚まさなかった理由を懺悔なさい」
「ワタシクシのふちゅーいデス」
硬く握られた拳を見た瞬間、土下座の構えをとる。
これ以上は間違いなく天国に送られてしまうと悟ったからだ。
先生と呼ばれた女性は、オクスの住む孤児院の管理をしている修道士で、子供達からはマリア先生、と呼ばれている。
修道服に身を包んだ清楚で綺麗な女性で、金色の髪と瞳が特長だ。
しかし怒ると恐く、先ほどのように鉄拳(ボディブロウ)をかましてくる。
「それでは、朝ごはんにしますから。顔を洗ってらっしゃい」
いつもの優しい笑顔に戻ると、部屋から出て行った。
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