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あの後、暴れる人識を抱え双識の待つ家へと帰った二人は、双識に縛った人識を渡し、自分達の部屋でテレビを見ていた。
下の階からバタバタ聞こえる騒音をBGMにしながら。
疑「煩いな~。もう!」
廡織は帰宅と同時にシャワーを浴びに行っているらしく部屋には疑織一人。
ーー次のニュースです。--
今夜未明、鴨川市の路上で人が殺されているのを帰宅中の会社員が見つけ、110番通報をしました。ーー
疑「ん?」
疑織はテレビから流れるニュースを見る。
ーー殺されたのは鴨川市在中の32歳の主婦で、心臓を刃物でひと刺しされ搬送先の病院で死亡が確認されました。
警察は、金目の物が取られていないことから窃盗目的では無いと断定。殺し方から見て警察は犯人は連続殺人と同一人物と判断し、引き続き捜査を続けいて行く方針だーー
疑「うっそー・・・人識の仕業じゃなかったんだ。」
疑織はテレビから流れ来るニュースを見ながら呟く。
廡「やっぱり、別人の犯行だったか。」
濡れた髪をタオルで拭きながら部屋に入って来た。
疑「廡織、どういう事?人識の犯行じゃいって気付いてたの?」
そんな廡織に対し、疑織は今一状況が飲み込めていないのか、廡織に説明を求める。
廡「時宮計時と殺り合う時に聞いたでしょ?【この連続殺人は貴方が?】って。」
疑「確かに。でも、それが何・・・」
廡「だーかーらー、いい?そのスカスカな頭で良く聞きなさい。左京区全域を支配していた時宮計時が連続殺人を知らなかった・・・。同業者【殺し名】や【呪い名】がやった事なら自然と情報は時宮計時の耳にも入ってくるはず。私達の事も知ってたみたいだいし?それでも、事件の事は知らなかった・・・と言う事は?」
疑「同業者ではない別の者の仕業!!」
廡「はい正解。」
廡織は冷やしてあったミネラルウォーターを取り出し、疑織が座るソファに座った。
疑「だとしたら、犯人は誰なんだろうね~?」
廡「さあ?関係無いから知らない。」
双「関係無い訳ではなさそうなんだよ廡織ちゃん。疑織ちゃん。」
「「は?!」」
いつ部屋に入ったのか双識が二人の座っているソファの後ろに立っていた。
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