神様

5/7
前へ
/97ページ
次へ
「魂がどうやって出来るかわかる?」 柑菜はこの質問に当然首を横に振った。 「管理神の僕達よりも唯一強い力を持つ創生神様の力の欠片が魂の素(もと)なんだ。 力の欠片が元々ある浄化された魂と融合したり分裂したりしながら形になる。 この結果に寄って魂の輝き…力が変わってくる。 君の魂はその結果産まれた特別強い輝きを持った魂なんだ。 具体的に話すなら、君の魂の特徴的な能力"癒し"がある」 「癒し?」 「そう癒し。白熱していた喧嘩が君の仲裁に寄って収まったことはなかった? 側にいると落ち着くって言われたことは?あるよね?それだよ。 別に怪我が早く直せるとかではなくて、干渉した者の心を鎮める。 悲しみだったり怒り、後悔等など、負の感情を癒す力がある。 これは獣王には必要な能力なんだ」 「…それは獣王の役割と関係があるってこと?」 柑菜の質問に神は笑顔で頷いた。 「いま向こうの世界の魔物達は獣王の癒しの力を失って暴走している。 魔物っていうのは基本的に他の生き物の負の感情を吸収してしまうんだ。 他の生き物…特に人間は持ってしまった負の感情を魔素に染み込ませて体外に放出する事で自分を守ってる。 それを吸収しなかったらやがて世界は負の感情で覆い尽くされる。 そしてその役目が魔物たちって事。だから魔物は負の感情の多い場所を好む傾向がある。 でも好むからと言って体に害が無い訳じゃない。 吸収し過ぎると自我を失いなりふり構わず暴走するんだ。 そうならないため獣王の"存在"そのものが獣の負の感情の癒す事で殆どの魔物たちを抑えるようにする。 勿論それですべて癒すと言う訳じゃないから負の感情が強い所には行って干渉してくれればいい これが獣王の役目」 「ふーん…一応理解したと思うよ」 少し考えながら発した柑菜の言葉に神は苦笑を浮かべた。 「まぁ、その時に理解して貰えたらいいから、今はそれで良いよ。向こうに行ってもたまに会いに行くから」 「…分かった」 「じゃあ今度は具体的な君の能力だ」
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

504人が本棚に入れています
本棚に追加