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地獄の螺旋階段を登り終えたエリザベスと金髪モヒカン。
エリザベスは疲れひとつ感じさせないほど元気だった。
対して金髪モヒカンは、ぜいぜいと息を荒立てついる。
「よし、今度こそ愛の誓いのキッスを~」
金髪モヒカンはエリザベスににじり寄る。
そのタイミングでエリザベスの携帯電話が鳴った。
「ゴメン、パパからだわー」
エリザベスはモヒカンをつまんで男を持ち上げた。
その状態で通話を開始する。
「もしもーし」
『娘よ、今どこにいるのかにゃー?』
「面倒臭いからバイバイ」
『やめて、切らないで~』
エリザベスの父、ジョンは捨て猫の鳴き声で訴える。
再度捨て猫の鳴き声が発せられる。
エリザベスがモヒカンを手放したのだ。
どさり、という鈍い音を立てて男は尻餅をついた。
「で、用件は?」
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