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「じゃ、私行くね?」
その少し突き放した態度。
それでいて猫のように甘えるような声色混ぜてくる。
君をちゃんと掴んでいるようで指の間からすり抜けていくような。
そんな感覚に襲われる。
「何その顔?」
そう言って笑った君は周囲を見回し、誰も居ない事を確認して俺に顔を寄せてくる。
その瞬間。
胸の鼓動は最高潮。
触れた唇の感覚が。
なんとも言えないほど妖美で。
たった1秒の出来事が
数時間のようにも感じられた。
「バイバイ」
彼女、北条芙美香(ホウジョウ フミカ)はこうやって一瞬で俺の心を持っていく。
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