魔法少女の夜

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「封陣、呪縛固定!!」  マスターは特殊能力として辺りに影響が出ないように結界を張る。  壊された物も元通りにする事が可能だ、時間を掛ければ。 「シュン、大好きー!」 「俺はお金大好きー」  顔を真っ赤にしながら叫ぶ彩音。魔法使いと言えど代償無しに魔法を際限無く使える訳じゃない。  彩音の場合はコレだ。  マスターへの愛を表現する。  叫んだ彩音の胸元が光り、一丁のショットガンが出てくる。  装弾数は愛の分だけ。リーズナブルな武器なのだ。 『ぁああぁぁぁぁああ!! 彩音たんが! あの糞野郎に愛を叫んでいるー!!!』  彩音が出ると毎回ペン太はこうなる。犬の着ぐるみ、一回ヘリから蹴り落したい。 「ふざけんじゃないわよー!!」  怒り心頭、涙目で箒を巧みに操り、重い一発をブチかますと巨大ぬいぐるみの顔が半分ぶっ飛ぶ。 『恥ずかしながらショットガンを放つ彩音たん萌えー!!』  ツブヤイッターでも今頃連呼されてるんだろうなー。  ぬいぐるみの顔は小さなお子様には見せられないよ、状態だけど。  ツバ付けってレベルじゃない攻撃だったぞ。  そんなに恥ずかしいのか? 生放送だから公開恥辱プレイだけど。 「その調子でパンツでも見せてやれー」 「絶対嫌!!」  彩音は魔力を集め銃口を真紅の光で満たしていく。  夜空を彩る星の一つになったみたいに全身が輝き始める。 『退避! 退避ー!!』  これは流石にペン太もクルーとヘリで有効範囲外へ。  俺の封陣の外なら影響は受けないからだ。
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