魔法少女の夜

6/14
前へ
/33ページ
次へ
「爆撃! 鎖惨華(サザンカ)!!」  華が連鎖して無残に散る様を連想して名前を付けた砲撃。  彩音は魔『砲』使いである。  放たれた真紅の弾丸は途中から幾つかに分れぬいぐるみのクリーチャーの全身に当たると爆発。  真夜中に赤い花火がいくつも上がったかのように東京を照らす。  爆風が凄く砂埃や車が吹っ飛ぶ衝撃まで来る。  それを俺は土の壁を生成して防ぎ、暴風が止むまでじっとしている。 「相変わらず派手だ」 『木っ端微塵!! アスファルトが抉られ水道管破裂!! 十数メートルは凹んでるぞ! 地球痛くねぇか!? 地球はMだから問題ねー!!』  封陣を解くとヘリが惨状の確認として戻ってくる。  ビルの窓ガラスは割れドアはひしゃげ、地面は残念な事に。  機関が津波警報とかと同じでクリーチャー警報出してなかったら凄い事になってそうだ。    クリーチャーの魔力が無いから完全に消し去ったのだろう、これで今夜の魔法少女のお役目は終わりだ。 「復元、回天残滓」  惨状の真ん中で俺の魔法を発動、時間が捲き戻るように壊された街並みが元通り。    ちなみに俺の魔法の代償は『性欲』だ。  つまり、今は賢者状態だ。  性欲が全く沸きあがってこない。 「やったわよ! シュン!!」 「あぁ、お疲れさん」  マスターである俺は彼女達魔法使いのツールである。  彼女達が魔法を使える状態に保っておくのが使命である。  コレが一人なら管理も楽だろう。  だが俺は彩音以外に四人もいるのだ。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

128人が本棚に入れています
本棚に追加