プロローグ

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ピチョン……ッ ピチョン……ッ コンクリートのヒビから水が滴る。 使わなくなって数十年経過した倉庫には、ありがちな光景だ。 暗いし、アタシの影も形も隠してくれそうな物陰もたくさんある。身を隠すには丁度いい。 「リリーンめ、どこへ行きやがったっ!?」 「ラミエル様をヤリやがって、見つけたらただじゃおかねぇっ!!」 っでも……ないかっ!? さすがに最高補佐官の警護のSPとなれば、単純バカではないらしい。アタシが隠れそうな場所をしっかり予測してきた。 自分の目的を果たすのためだけど、アブない橋を渡るには速すぎたか……。 アタシは息を潜めて、姿を消せそうな場所を探った。
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