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だが、姉はニコニコと笑顔で言い放つ。
「大丈夫よ。もう手続きは済ませてあるから」
「本人の承諾無しに!?」
つかまだ12月だぞ。色々と早過ぎないか。
一体どうやって…。
聞きたい事やツッコミたい部分が沢山ありすぎて、何から言えばいいのか迷う。
「まぁまぁ、大丈夫よ。ちょっと前に知り合った人にお願いして、そこの理事長に特別に入学許可して貰っただけだから」
「…じゃあ、試験は?」
「勿論無し。当たり前でしょー」
ちょい待て。
試験受けずに一般人が入るって……それさ……
裏 口 入 学 じ ゃ ね ?
俺、自分の姉が信じられません。
つかこれ偽物なんじゃないか。
うん、そうだ。絶対そうだ。
いやぁ、よく出来てるなぁ。てっきり本物と間違える所だったぜ…。
「ま、そういう事だから、よろしくね。今更断れないし」
「え、じゃあ俺受験は…」
「しないでいいに決まってるじゃない。…もしかして、したかった?」
「いや、そういう訳じゃないけど…」
渋る俺に、姉は構わず。
「ならいいわよね」
ニッコリと笑った。
「明日から勉強するのよ。なんせあそこの学力は、
――物凄~く高いから」
成績が中の中の中をいき続ける俺に、姉のその言葉はあまりに無慈悲過ぎた。
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