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ざわ……ざわ……
なんて感じを軽く越えるくらい騒がしい教室。
4月中旬、新しいクラスに慣れてきた…かなぁ?っていう中途半端過ぎる時期に、転校生が来るらしい。
生徒会及び特別扱いされる奴らが集まるSクラス以外は基本ランダムに決まるクラスメイト達は、早くも固まり出したグループでその話を和気あいあいとしている。
カッコイイかなー、好みだといいなー、って男子校でそんな台詞聞くとは夢にも思わんかった。いやはやびっくり。
当然、噂好きの光太も反応した。
「おい、秀!転校生!」
「俺は転校生じゃないんだが」
「違うって!転校生が来るんだよっ!」
いつもより恍惚と自身の世界に浸ろうとする光太に引いた。
つか何でコイツまで嬉しそうなんだよ…。
「良かったな」
「おう!って訳で秀!見に行くぞ!」
「何を?」
「勿論っ、転校生をだよ!」
「何時?」
「今から!」
「お前馬鹿なの?」
今からHRだろうが。
けれど光太は「見逃せないんだよ!絶対!」と言って聞かないので、仕方がないがついていく事にした。
……俺、行く意味あるのかなぁ。
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