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「――で?何で此処なんだよ」
「そりゃあお前、見付かったら駄目だろー」
只今、二人仲良く(笑)木の上で校門を観察中。
イマイチよく分かっていない俺にニンマリと笑った光太は、人差し指を立ててわざとらしく息を漏らす。
「いいか、お前に王道というモノを教えてやる」
「はぁ…」
いや結構です。興味無いんで。
そう言えたら、どれだけ幸せな事か…。
「まず、転校生がやってくる。頭がモジャモジャでグルグル眼鏡の奴が」
「…皆の期待裏切りまくりだな」
「ああ。だが実はそれは変装で、その下の素顔は金髪碧眼の超美人!」
「…へー」
「しかも、ソイツは元族の総長で生徒会の奴らはそれと敵対しているグループの幹部。ソイツらにバレないように、そして身の安全の為に、周りはカツラと眼鏡を着けさせたんだよ」
「イイハナシデスネー」
「しかもしかも、その転校生はこの学校の理事長の甥!理事長からスッゴい溺愛されてるんだよ!」
「………へぇー…」
いかんいかん、"理事長"という単語に反応してしまった…。
しっかしコイツ、よくそんな堂々と妄想を語れるよなぁ…。逆に感心するわ。
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