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着地に失敗した転校生は、ドスンと尻餅をついた。
そこに、副会長が近付く。
二人は数回言葉を交わしながら校舎に向かって歩き始めた。
何も変わらない、ただのお出迎えじゃないかと安心した時――
二つの影が、重なった。
「 」
「きっ、きっ、キタキタキタァァァ!!!!!!」
絶句する俺の隣で、光太は嬉々として絶叫(in小声)をしている。
俺には理解出来ない。いや本当無理だ。
だって、なぁ。男同士だぞ?
何がいいんだそれ。
男同士でキスとか無理。見た目的にもアウト。
しかも、転校生と副会長はなかなか離れない。
「ディーーーーーップ…っ!!!!」
「有り得ん…」
人の反応も千差万別とは言うが、ここまで差があると頭が痛くなってくる…。
それから、漸く動いた転校生が副会長の腹に拳を突き出した。
副会長の体がくの字に曲がり、床に伏す。
「なっ、にしてんだこの野郎ぉぉぉ!!!!」
真っ赤な顔をした転校生は、叫び声を上げながら自分の口を手の甲で無造作に拭う。
……まぁ、普通そうだろうな。
「転校生つえぇw」
「だなぁ。生徒会の奴らに手を出せるのは凄い」
先程のショックをとりあえず一旦置いて、光太の感嘆の声に賛同する。
いやなぁ、しかし…。
最悪なモノ、見ちゃったなぁ…。
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