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*若本 秀side*
で、翌日。
俺は言葉を失った。
転校生が居る。俺のクラスに居る。しかも俺に話かけてくる。
「なぁなぁ、お前、名前何?オレは苑草望!」
さっき自己紹介で聞いてたよ…。
つか何でこんな絡んでくんのか分からん…。
コイツを俺の後ろの席にした担任……恨むぞ…。
そう思って担任を睨むと、ニッコリと笑顔を向けられた。いや怒ってんだよ。
それはともかく、放っておくと転校生が煩そうなので名前だけ言っておく事にする。
「………若本」
「下の名前は?」
「………秀」
「秀か!よろしくな!」
なんでいきなり名前!?
「ヨロシクオネガイシマス苑草サン」
「望って呼べよ!俺達友達だろ!?」
「 」
俺コイツの言語わかんないかも知れない。
母国語しか話せない俺に誰か通訳連れてきてくれ。
「俺出会ったばっかりの奴が友達だとは思わないんだごめんな」
コイツは遠回しじゃ駄目だと思ったのでストレートに言ってみた。んだが…、
「う…っ」
泣 き 始 め や が っ た 。
ああそう……直接的な言い方も駄目なんだ…。
面倒臭い事になったなぁと頭を抱えたくなった。
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