1068人が本棚に入れています
本棚に追加
昼休みになると、案の定転校生が俺に声をかけてきた。
「なぁ、一緒に学食行こうぜ!」
「あ、……えっと…、………こ、光太!光太に聞かねーと分かんないわ」
「光太?」
そうか……コイツまだ光太と話してなかったんだな…。
アイツことごとく避けてるしなぁ…。
そう思って光太の席を見るとアイツが居ない。その流れで教室を見回すと、扉の近くで逃げようとしている光太を見付けた。
「あれ。アイツ。ちょっと捕まえてきて」
「ん?よく分からんが分かった」
頷いた転校生は思わぬ程の俊敏さで光太を捕まえてきた。何あれ怖い。
「連れてきたぞ」
「あ…ありがとうな……」
「え、これ何なのw俺は死ぬんですかそうですか……アーメンww」
光太のテンションが異様に高い。これちょっと不機嫌になりつつあるサイン。
嫌々捕まったからだな、多分。
絶対関わりたくないって言ってたし。でも道連れにするけどな。
「オレ苑草望!よろしくな!」
「俺遠藤光太。よろしくな…」
「一緒に学食行こうぜ!」
「……ですよねーw」
諦めたような光太が、怒りのため息を吐いた。
_
最初のコメントを投稿しよう!