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食堂に入ると、男子生徒にしては高すぎるソプラノの悲鳴。耳がつんざかれるようだ。
多分光太に反応してる。
一応イケメンの部類に入るからな、コイツ。
「遠藤様と若本さんだよ!」
「遠藤様っ!抱いてぇー!!」
「今日もカッコイイです!」
ちなみにこの学校での呼び方の違いは、
「様」→カッコイイ人・憧れの人
「君」→普通顔・親しみ易い
「さん」→正直近付けない人
で、俺は何故か「さん」。
まぁ馴れ馴れしく呼ばれるのはあんまり好きじゃないからいいんだけど。
………それはともかく。
そんな俺と光太の後ろに出てきたのはもっさり頭の転校生。
食堂の皆がギョッとした。
「な、何あれ…」
「遠藤様に近付かないでぇぇぇ」
「気持ち悪い!遠藤様が汚れる!」
転校生は人気者だなオイ。行く所行く所で大ブーイングが降り注がれてるもんな。
だが転校生は大した反応を見せずにいる。
態と無視してんのか、単に周りが見えてないだけなのか……後者だとかなり厄介だな。
そのまま三人で注文した。
俺はシチュー、光太はハンバーグ定食、転校生はオムライス。
この食堂は庶民向けがあって、無駄に高級感溢れさせてないから好きだ。
しかもホワイトシチューが目茶苦茶美味しい。俺幸せ。
そうしてほぼ無言の状態で、三人とも席についた。
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