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それから一番上の姉は足速に俺の下へやってきて、
「秀。あんた、私立轆轤(ろくろ)学園に入りなさい」
「は…?ろくろ…?」
何その奇妙な名前。色んな意味で怖いわ。
その反応は予想通り、といったように、姉は息を吐いた。
「そこの理事長、重度の陶器マニアらしくてねぇ。ま、だからじゃない?」
「そういうもんなのか…?」
「そういうもんよ」
断言する姉。
いやでも、大切なのはそこじゃないから。
「っていうか、そこって金持ち学校だろ」
「そうね」
名前を聞いて思い出した。
私立轆轤学園。
その名前の所以はよくわからないが、小中高大一貫のエスカレーター式で、大企業の社長の息子だの何ちゃら組の跡取りだのといった権力を持った所謂お坊ちゃんが集まる所。
平凡な俺にはこれっぽっちも関係無い筈だ。
そもそも編入生になるには物凄くレベルの高い試験で高得点を叩きださなければならない。
俺には無理だ。勉強そこまで出来ねーもん。
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