Episode 1

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それが、今から約1年くらい前の事。 あれから俺は目茶苦茶頑張った。某杉崎氏もびっくりな頑張りだった。 なんでも、俺の成績があまりに悪いと周りの奴からの不信がる声が続出し、問題視されてしまうのではないか……という事だった。 だったら裏口入学受け入れんなよ。もうそこでアウトだよ。 とか思いながらも、流石に姉の我が儘で理事長に迷惑かける訳にもいかないので、俺は頑張って何とか普通くらいをキープ。 小中高大一貫制だからか、最初は好奇の目が痛かったけれど、俺はあまりにも平凡過ぎて面白くないと直ぐに飽きれられた。 面白くなくてすみませんね。 それはともかく、この学校は本当に金持ちばかりの所だった。 おいこれ本当に使ってんのかってくらい綺麗な白い壁に大理石の床。それに反射するシャンデリアの光。 どこもかしこも眩し過ぎて最初見た時目が潰れそうだった。いや潰れないけど。 そして勿論の事、何もかもがカードキーだの指紋検証だのといった機械で管理されている。 それで安心安全とか本気で思ってんのか。 森かよとツッコミを抑えきれなかった程の広い庭。つか敷地把握出来てんのかなこれ。 その他、何処をとっても俺の知ってる常識とは掛け離れた場所だった。 最初見た時は驚いた。開いた口が塞がらなかった。いや冗談とかじゃなくて、本気で。 が、今は慣れたもんだ。 感覚が麻痺してきたのか、これが当たり前だと錯覚までしてきて……あ、これ駄目だわ。 まぁ、何はともあれ、俺は今、ちゃんとここで生活出来るようになった、って事だ。 _
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