Episode 1

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そして、俺は先日めでたく2年生となった。 「おーい、行くぞー」 「ちょっ、待って。今凄い良いとこw」 「よし、置いていくな」 「俺の話聞いてた!?」 次の授業は移動教室だというのに用意もせずケータイを見てニヤニヤ笑っているコイツは、遠藤光太という。 ホモやバイが9割近くに上るこの学園で、俺と同じくノンケの奴。 ただ、腐男子らしく、生BLは見逃せないぜ!と叫んでいたし、今だって多分ネットでBL小説とやらを漁っているんだろう。俺には到底理解出来んわ。 それでもコイツは常識がある。 一応金持ちの分類の癖に父親が緩くて、小中は一般的な学校に居たらしい。だからどちらかと言うと俺と同じような奴。 ここの生徒は基本同性にキャーキャー煩いから、光太が居てくれて本当に心強い。俺は正常だって胸張って言える。 コイツが隣に居ると、安心する。や、変な意味じゃなくて。 明るくて馬鹿やれる友達が居る事って、こんな大切だったんだな、としみじみと思った。 「早くしろよ」 「わかってるわかってるw」 光太の気持ち悪い笑顔を見ながら、ああ平和だなぁ、と感じる。 ――そして、その平和がこれから崩れてしまう事を、俺はまだ知らない―― _
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