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一年の教室に行くため階段を上り三階の教室の前に着くとお婆さんは少し待つように言われ霧紗は言われた通りに待っていた。
少しすると教室の中からざわめきが聞こえてくるのがわかり霧紗はまたかとため息を吐いた。
霧紗にとって転校するのは日常的な出来事だった。
転校し平凡で何もない一年間を過ごしまた転校し一年間を同じように過ごし繰り返す霧紗には他人から見たら非日常的だが霧紗にとってはこれが当たり前の日常と感じていた。
すると教室からお婆さんが霧紗を呼ぶ。
「岳村君入って下さい」
お婆さんのその呼ぶ言葉に霧紗はゆっくりドアを開けてひな壇の上にある教卓の横に立ち挨拶をする。
「初めまして親の都合により三年間この町に住む事になりました岳村 霧紗です、これからよろしくお願いします」
親の都合で霧紗は三年間親戚にお世話になるということは今までは一年また一年と転校してきた霧紗だが二年延びただけ今までどうり平凡で何もない日常が始まると思っていた。
今まではそうに思っていた。
職員のお婆さんは空いてる席に座りなさいといい教室を後にし霧紗は真ん中の後ろの空いてる席に座る。
確実に周りからの視線があるが気にせずに平然と次の一時間目の授業を受けた。
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