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キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴った。
マユは晴れた空を屋上で見上げていた。
よくここで部活の仲間達とお弁当を食べたっけ…。
そんな思い出が頭を横切る。
記憶を辿る度に空しくなってきた。
「今日は何日だっけ…」
卒業式まで時間がないことは分かっていたが卒業までの日数は両手で数えられた。
「カズミ先輩…」勝手に口が動いた。
いつからだろう…こんな気持ちになったのは…。
この想いは、届かない、届けられない。
もう分かってた。
どうしようもないことも。
この想いが届かなくてもいいからそばにいることだけは許して欲しい…。
届いたとしてもきっと関係が崩れてしまう…。
だったらこのままがいい。そんなわがままばかり思っていた。
ガチャン
屋上のドアが開いた。
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