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私は結局、何も勉強道具を持ってないのに塾まで来てしまった
?「あれ?夕紀さん、今日個別授業入ってたっけ?」
私に話し掛けてきたのは
川北高校の同級生、天野 陸君だった
夕「いや、ないけどちょっと自習に……」
陸「そうなんだ、俺も今日は自習なんだ(笑)」
陸君は笑顔で話し掛けてきたが、私はそんな気分じゃなかったので、参考書を1つ棚から取って席に着いた
席に着いてもあまりやる気になれなかった
翔のことで頭がいっぱいだったから
気がつけばとっくに2時間が経っていた
私は参考書を戻し塾を出た
夕飯の時間になってしまうのでお母さんに心配を掛けたくなかったから……
そんなことを考えていると、陸君が後ろから走ってきた
陸「夕紀さん、帰るの?」
夕「うん、まぁね」
陸「じゃあ送ってくからちょっと待ってて!!」
夕「えっ、そんなこと…………って行っちゃった」
陸君は私の返事を聞かず、荷物を取りに戻ってしまった
1分もしないうちに陸君が来た
陸「お待たせ!
じゃあ行こっか(笑)」
夕「う、うん……」
私は陸君の後ろをチョビチョビ歩いていた
陸「夕紀さん……何か悩み事があるの?」
夕「うん…………ってえっ!!」
私は陸君の顔を見て続けた
夕「どうして分かるの?」
陸「ん~なんとなく、いつもの夕紀さんと違う気がしたからさ(笑)
俺でいいなら聞くよ?」
私は翔の話をするのに抵抗があったが、話したらすっきりするかと思い口を開いた
夕「彼氏が…………何を考えているのか分からないの」
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