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夕「えっ!」
私は後ろを振り向くとそこにはさっきと同じ服装をしてエナメルバックを背負っている翔がいた
夕「しょ、翔!!」
私は翔がここにいることに驚いた
どうして翔が……
翔「夕紀を怒らせちゃったと思って、ずっと夕紀の家の前で待ってたらそういうことかよ……」
夕「ち、違うの翔!」
私は翔の腕を両手で掴んだ
翔は下を向いたまま黙っている
夕「翔、あのね「離して」
翔は私の言葉を遮った
聞いたことがないような小さく低い声で……
私は少し震えながら翔の手を離した
翔「ごめん……今の夕紀とは何も話したくない………」
夕「あっ、しょ……しょ…………う」
私は翔を止めるでもなく、何も出来ずに立っていた
翔は1度もこちらを振り返ることなく、私の家の隣にある家に入って行った
夕(…………翔)
私もゆっくり自分の家に入った
夕母「あら、お帰りなさい!
翔君の試合はどうだったの?」
夕「……勝ったよ」
私はその一言だけ言って部屋に戻ろうとした
夕母「ちょっと夕紀どうしたの?
いつもなら翔君の試合の話止まらないくらいするのに……
それにご飯は?」
夕「もう少し経ったら食べるよ」
私はそう言って部屋に戻った
部屋に戻り電気を付けると窓の向こう側に見える部屋はカーテンが閉まってはいるが隙間から電気の光がこぼれていた
あの部屋は翔の部屋……
そんなことを思っていると、ふと中学時代に翔と窓越しで話していたことを思い出した
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