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まさかあんな事が起ころうとはその時の俺達は思ってもみなかった。
映画やSF小説の中の話だと思っていた。馬鹿にしてさえいた。そして、それは小学校卒業とともに俺達が忘れてしまっていた、馬鹿みたいな妄想、いや、純粋で、無垢な夢だった。
しかし、その夢は現実、リアルのものとなって俺達の前に現れた。
それはあまりにも強大で素性も知れず、まるで見えない敵と戦っているようだった。
それは、無茶な要求をしてきた。
大人達はもう皆諦めかけていた。
でも、俺達は違った。
世間知らずの高校生だった俺達は無謀にもそれに立ち向かった。
失敗を顧みることもせず、ただ、俺達の手でなんとかしたいと、その一心で立ち向かった。
六年の月日が経って大人になった今になって振り返ってみると、自分達の無謀さに呆れる。
だが、その無謀さこそが、俺達の最大の武器だった。
俺は、世界の命運を握ったあの地味な計画と戦いの日々を六年経った今でも忘れない。いや、忘れられない。
これから少しばかり昔の話をしようか。俺達の戦いの一部始終を。
俺達の、ひと夏の青春の話を。
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